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【獣医師が解説】犬の性格は犬種によって決まるの?特徴や飼いやすさ、注意点を解説

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犬にはとても多くの犬種があります。とても体が小さい種類から大きい種類まで様々です。
性格は基本的には親の遺伝やルーツ、そして過ごす環境により大きく変わってきます。

犬の性格は犬種で決まるって本当?

もともと犬は、人と共に生活する上で能力を活かし、生活してきました。
愛玩のための犬もいれば、狩猟で活躍していた犬もいます。そのため、犬種によって性格に特徴があります。

子犬の時はみんな小さくて、やんちゃです。成長過程で、犬種の特性を知っておくと長く良好な関係を築いていけそうです。

ここではそれぞれの犬種を解説していきます。

トイ・プードル

トイ・プードルの基本的な性格・特徴

プードルはもともと、ドイツ語で水猟犬を意味する「プーデル」という単語から名前がついたと言われています。
そして大きなサイズのプードルが小型化され、愛玩犬としてトイ・プードルは愛されてきました。

トイ・プードルは学習能力が高く社交的な子が多いです。
もともと狩猟犬の名残もあり運動が大好きで活発です。比較的しつけがしやすいと思われます。

群れで行動する猟犬をルーツに持つため、独りでいるのは比較的苦手な傾向があります。
そのため飼い主さんへの依存心が高くなりがちです。

毛がクルクルと巻いているのが特徴で毛が抜けにくく、あまり体臭もありません。
色々なカットをすることで別人のように見た目が変わります。

トイ・プードルの飼いやすさ

若いうちからいろいろな人や犬に会わせることで、トラブルが少ない子として育ちます。
とても飼いやすいと思われます。

毛が抜けにくいため、アレルギー体質の方でも飼いやすい犬種と言えます。

トイ・プードルの飼育ポイント・注意点

トリミングが必要な犬種です。
一人でいるのが苦手ですが、あまりべったりしすぎると分離不安症になりやすいです。
注意してください。

柴犬

柴犬の基本的な性格・特徴

昔から番犬や狩猟犬として長く人と暮らしてきました。
そのため、主人には忠実で服従心が強く、他者には警戒心が高めです。

見知らぬ人に対してはかなり警戒心を出します。
特にメスはオスよりも警戒心が強いと言われています。番犬として飼うならメスのほうが向いているかもしれませんね。

子犬の時期からある程度、他人にも慣れさせなければ、吠える、噛み付いてくることがあります。

学習能力が高いです。特に嫌な事はすぐ覚えます。病院での処置が苦手な子が多いですね。
飼い主さんにはとても甘えてくるかわいい犬種です。

柴犬の飼いやすさ

基本的に飼い主さんのことは大好きで、とても従順です。
そのため、子犬の時期にしっかりとしつけをして良い関係を築けば問題ありません。

警戒心が強いので、子犬の時期からいろいろな人に触れ、環境に慣れさせた方が良いですね。

運動量が多いのでお散歩に行く必要があります。

柴犬の飼育ポイント・注意点

柴犬は運動が大好きです。積極的にお散歩に連れて行ってください。
ダブルコートのため、定期的にブラッシングが必要です。換毛期には毛がすごく抜けます。

疾患としてはアトピー性皮膚炎や食物アレルギーによる皮膚炎が出やすいです。
アトピー性皮膚炎は生後6カ月齢~3歳くらいで発症します。アトピーは基本的に治りません。
そのため、発症する前に保険などに入っておくと安心かもしれません。

ダックスフンド

ダックスフンドの基本的な性格・特徴

体のサイズが3種類あります。
ダックスフンドは10キロ近く大きい犬を指します。
一番多く飼われているのは、ミニチュアダックスフンドです。
さらに体が小さいのがカニンヘンダックスフンドです。

胴長短足の特徴的な体型が一番の特徴です。
もともと地面の穴に住むアナグマや兎用の猟犬でした。集団で狩りを行うことができるよう性格的には友好的と言われています。

スムースヘアード、ロングヘアード、ワイヤーヘアードなどの毛質のダックスフンドがいます。
異なる犬種との交配で作られたため、毛質により性格に違いがあるとも言われています。

スムースヘアードの子は、比較的ダックスフンドらしい好奇心旺盛な活発なことが多いです。
ロングヘアードの子は、温厚で穏やかな性格の子が多いと言われています。
ワイヤーヘアードの子は、少し気が強いところがあるかもしれません。

ダックスフンドの飼いやすさ

毛質による性格の違いがあるかもしれませんが、基本的に攻撃性は低いです。
落ち着きがある子が多いため、飼いやすいかと思われます。

ダックスフンドの飼育ポイント・注意点

体の構造上、足腰に負担がかかりやすく椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。
体重管理には気をつけましょう。また、滑りやすいフローリングや段差などは足腰を痛めやすいので注意してください。

チワワ

チワワの基本的な性格・特徴

世界で一番小さい犬種です。大きな瞳、立ち耳、短めのマズルが特徴です。
運動があまり必要ではないため、広いお部屋でなくても問題なく飼うことができます。

警戒心が強い傾向がありますが、愛情深く忠誠心を持つタイプです。
初対面の人に対しては、少し苦手な傾向があります。

被毛の長さにより、スムースコートとロングコートの2つのタイプがあります。
スムースコートは短い毛で光沢があります。
ロングコートは全身を長い毛で覆われており、毛が絡まりやすいのでブラッシングが必要です。

チワワの飼いやすさ

家の中を走るだけでも1日の運動量を消費することができます。
そのため、特にお散歩に行かなくても問題ありません。体も小さく飼いやすいといえます。

チワワの飼育ポイント・注意点

チワワはメキシコ原産の犬種といわれており、寒さに弱い傾向があるので注意してください。

勇敢に向かっていく傾向があるため、子犬の時期から人や子供に吠えたり、噛んだりしないようにしつけをしてください。

体がとても小さいので、落とす、踏む、などで骨折してしまう事故が多々あります。
ご家庭に小さいお子さんなどがいらっしゃる場合は、特に注意してください。

ポメラニアン

ポメラニアンの基本的な性格・特徴

全身がふわふわの毛で覆われていて、ボリュームのある見た目をしています。尖った耳も特徴的です。

もともと先祖はソリ犬として活躍しているサモエドです。
サモエドは毛がふわふわで大きい犬ですが、小型化されポメラニアンとなっていきました。

とても活発な好奇心旺盛な犬です。警戒心が旺盛で吠えやすい傾向があります。
また、小さい体格の割に、大きい犬に対しても勇敢に吠えることがあります。

比較的、環境に慣れるのは早いようです。放っておいてもひとり遊びを楽しんでくれる傾向があります。

ポメラニアンの飼いやすさ

基本的にポメラニアンは賢く、懐きやすいです。しつけをきちんとすれば問題ありません。
気が強く、吠える傾向がある点は気を付けなければなりません。

ポメラニアンの飼育ポイント・注意点

換毛期には毛が多く抜けます。定期的なブラッシングが必要です。
サマーカットなどでバリカンをかけてしまうと、毛が生えなくなる場合があります。

生まれつき気管虚脱の場合があります。
気管虚脱は興奮時などに気管がつぶれやすくなる疾患で咳がでます。
もともとポメラニアンは興奮しやすい犬種のため、咳の回数が多い場合は動物病院を受診してください。

お互いが居心地の良い関係になるために

犬と私たちは長い間一緒に生活してきました。
今でも番犬などのお仕事をしている犬も、いるかもしれません。
しかし大多数の場合は、家族・パートナーとして飼われている方が多いでしょう。

性格は環境で大きく変わります。特に子犬のうちに、きちんとしつけることで良きパートナーとなります。

飼い主さんによって、犬としたいことは様々です。たくさんドッグランに行きたい方、お家だけで過ごしたい方、カットを楽しみたい方などいると思います。

犬と飼い主さんのニーズが合えばよいですが、例えばたくさんお外で遊びたい犬がお散歩に行けないのはかわいそうです。
一方、お家でゆっくりしたい飼い主さんが長いお散歩に行くのも辛いと思います。

犬の気質を知って、お互いの性格・ニーズに合う子と生活していくことで居心地よく過ごせそうですね。

また、犬の年齢についても知っておくと犬との暮らしがより充実したものになりますよ。
こちらの記事でご覧いただけます。

この記事を書いた人

千葉 恵
獣医師

日本獣医生命科学大学卒業
卒業後、千葉県の動物病院にて小動物臨床に従事

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