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【獣医師が解説】犬が食べてはいけないもの8つと犬に与える影響

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私たちが普段食べるものの中で、犬にとって有害なものはたくさんあります。

少しお腹を壊すレベルのものから、内臓に影響があるもの、命に関わるもの、など様々です。日常で遭遇する『犬が食べてはいけないもの』を知っておくことで、危険な状態になることを未然に防ぐことができます。

犬が食べてはいけないもの8つ

  • チョコレート
  • タマネギ
  • キシリトール
  • ぶどう・レーズン
  • カフェイン
  • ナッツ
  • アルコール
  • 乾燥剤

チョコレート

実際に動物病院に誤食で来院される際に、最も多いのがチョコレートです。
たいていのチョコレートは乳製品が使用され香りも良いので、甘いものが好きな犬は食べてしまいます。
特にクリスマスやバレンタインシーズンは食べてしまうことが多いですね。

カカオ豆には、メチルキサンチン類と呼ばれる化合物(テオブロミンやカフェイン)が含まれており、中毒の原因となります。そのため、カカオの含有量によって危険性が異なります。

例えばホワイトチョコレートはカカオの含有量が少ないため、ほとんどの場合中毒になりません。一方でブラックチョコレートやいわゆる高級チョコレートはカカオの含有量が多いため、少量食べただけでも中毒症状が出ることがあります。
ココアパウダーもカカオの含有量が多いため注意してください。

メチルキサンチン類は中枢神経系を興奮させ細胞のカルシウムの取り込みを抑制することで心筋と骨格筋の収縮を増加します。

症状

嘔吐、下痢、興奮状態、頻脈、失禁、高体温などで、重症になると不整脈や呼吸困難、痙攣などが起こることがあり、膵炎や横紋筋融解症を併発する事もあります。

治療方法

食べて1時間以内であれば吐かせる処置や胃の洗浄を行います。解毒として活性炭を使うこともあります。

タマネギ

タマネギは、犬によって中毒を引き起こす量が異なります。その中でも日本犬種は中毒になりやすいと言われています。

タマネギを大量に摂取した場合、そこに含まれるn-プロピルジスフィルドという化学物質によって赤血球が破壊され、貧血がみられます。

症状

下痢や嘔吐などの消化器症状のほか、ハインツ小体性溶血性貧血がみられます。
数日後に発症するケースが多いため、当日元気だからといっても安心はできません。貧血がみられない状態でも血液中のハインツ小体は24時間以内に出現します。

そのためタマネギを食べたのであれば、かかりつけの病院で確認した方が安心です。
重度の貧血や溶血によりおしっこに血が混じったり、黄疸が見られたりすることもあります。

治療方法

食べてすぐであれば吐かせます。吐けないようなら胃の洗浄や活性炭の投与をします。
状況によって入院しなければなりません。酸素吸入や輸血が必要になることもあります。

キシリトール

人間ではガムなどでキシリトールを食べることがありますが、犬にはとても危険で命に関わります。

キシリトールを食べると、体内でインスリンが過剰分泌し低血糖を引き起こします
中毒を起こす量は犬の体の大きさにもよりますが、4kgほどの犬だと、一粒食べただけでも低血糖になる可能性があります。

症状

下痢、嘔吐の他、1時間以内に低血糖、重症になると虚脱や発作、数時間~数日後には肝不全等で命を落とす事もあります。

治療方法

食べて1時間以内なら吐かせる処置をします。活性炭はあまり効果が期待できません。

低血糖の度合いより血糖値を上げる処置や点滴を行います。さらに肝障害が見られる場合はその治療を行います。

ぶどうレーズン

ぶどうの毒性の原因は未だよくわかっていません。生のぶどうよりも、乾燥させたレーズンやドライフルーツの方が少ない量でも重症になる場合が多いです。

致死率は50%という報告もあります。

症状

食べてから1日以内に発症し、下痢、血便、嘔吐などの消化器症状に加えて、数日経ってから腹部痛や運動失調、おしっこの減少などが見られることがあります。
また腎臓に影響を起こしやすいです。

治療方法

胃を空にした状態で活性炭を繰り返し投与します。特に腎臓のケアが大事なので、積極的に静脈点滴をして腎機能をモニターします。

カフェイン

カフェインは紅茶やコーヒー、チョコレートなどに含まれています。
チョコレートのテオブロミンと同様にメチルキサンチン類です。

症状

摂取してからおよそ1~3時間で発症し下痢、嘔吐のほか頻脈、発熱、興奮などが見られます。
特に心臓病の子では危険性が高くなります。

治療方法

犬がとても興奮している場合、催吐処置は危険なため吐かせず、活性炭を繰り返し投与します。発作など状態に応じて対症療法を行います。

毒性の機序はわかっていませんが、犬にとっては有害です。

症状

食べてからおよそ12時間以内に腹部痛、下痢、嘔吐、運動失調、無気力、関節炎、発熱などの症状が現れます。

治療方法

基本的に対処療法および補助療法を行い、十分に水分を取り必要に応じて鎮痛剤を使用します。

アルコール

エタノールは消毒剤として有名ですが、その他にもマウスウォッシュや香水、お酒にも入っています。
エタノールは中枢神経系の抑制薬であり、飲んでしまうと通常1時間程度で症状が現れます。

症状

下痢・嘔吐のほか興奮、動揺、沈鬱、運動失調などで、昏睡状態や低体温、低血糖など重篤な症状が現れる場合もあります。

治療方法

摂取した直後のエタノールは吸収が早いため、胃を空にして胃内洗浄をします。吸着効果のある活性炭はあまり有効ではありません。
十分に水分を与え、血糖値をモニターしながら低血糖ならば補正します。その他に対処療法や補助療法を行います。

乾燥剤

食べ物と一緒に入っているため、誤って食べてしまうことがあります。

シリカゲル

透明なビーズのようなものが紙や透明の袋にはいっています。
お菓子に含まれていることが多く、分子が大きいため消化管で吸収されず無害です。

生石灰

白い不透明な袋にはいっています。海苔やおせんべいなどに含まれていることが多く、水と反応すると発熱します。

そのため食べてしまうと消化管が火傷状態になります。吐かせると喉まで火傷してしまうので絶対にしてはいけません。

少量であればすぐに牛乳やお水を飲ませてください。そしてすぐに動物病院に連絡してください。

脱酸素剤

商品名エージレス。生菓子によく含まれており、中身は鉄剤のため食べても問題ありません。ウンチが黒くなります。

愛犬が有害なものを食べてしまっても吐かせないで!

犬にとって有害なものを口にしてしまったとき、食べてすぐであれば安全に動物病院で吐かせることができます。

ご家庭で吐かせるために、食塩を大量に与える方法や、オキシドールを使った方法などがネット上に載っていますが危険なのでやめてください。食塩を大量に摂取することで中毒になり命をおとすことがあります。また、オキシドールでは胃がただれてしまいます。

食べたものや大きさによって吐かせることが危険なこともあります。誤食してしまった場合はまずはかかりつけの動物病院を受診し適切な処置を受けてください。

その際に食べてしまった種類や量などが分かればよりスムーズです。

なんでも口にする愛犬は特に注意!

犬に与えてはいけないものを知ることで、意図せず愛犬の具合が悪くなってしまう事を防ぐことができます。

拾い食いや何でも口にする子は特に注意してください。飼い主さんの近くで食べ物を狙っているかもしれません。また、食べ物以外のものも誤って食べてしまうことがあるので気をつけてくださいね。

愛犬も飼い主もストレスなくできる犬のしつけの方法もあわせて読んでみてください。

この記事を書いた人

千葉 恵
獣医師

日本獣医生命科学大学卒業
卒業後、千葉県の動物病院にて小動物臨床に従事

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